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第十二話・そそる衣類・着物

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襟元だけで。

うなじだけで。

裾だけで。

感じる、いいえ、感じさせる衣類。それは、キ・モ・ノ。(Photo/Furuse Model/Luliha)

チャイニーズドレスのスリットも、色っぽいけれど。でも、着物には叶わない。

着物はルーズな衣類だから。帯だけ、紐だけで留めた衣類だから。それを解けば、すぐに肌が露(あらわ)になるから。いいえ、解かなくても、裾を開けば、もうそれで充分だから。

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女は女である。そう意識させられる着物。前あわせ一つにしても男女で異なる。女の前あわせの仕方は、男の手が入りやすいように? という説もある。

_1 写真。この一枚の写真で、いろいろと想像がかき立てられ、物語が始まる。悪いお殿様に弄(もてあそ)ばれるお姫様? それとも怖い姉御(あねご)? 

着物は可能性を秘めている。人の想像心を最大限にかき立てることで、「そそる」。危険な可能性を大いに孕んでいる、それが、キ・モ・ノ。

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